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SOFT SKILLS - ソフトウェア開発者のキャリアを事業と捉える

会社で普通に働いていると、つい自分は会社の従業員に過ぎないという考えになりがちだと思う。しかし、視点を少し変えて、会社を自分自身のソフトウェア開発という事業の顧客、つまり自分はソフトウェア開発能力というサービスを売る事業を行なっていると捉え直すとどうだろう?見えかたが変わってくるのではないだろうか。というのも、事業で利益を引き出すには多くのものを必要とするからだ。

会社には経営者や経理、人事担当など様々な職種の人が働いているが、ソフトウェア開発者という事業も同様に多くの側面から構成される。もちろん必要に応じてアウトソースすることも可能だが、資金力の乏しいスタートアップの頃は自分でどうにかしなければならないだろう。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLSはそんな「ソフトウェア開発者としての事業」の様々な側面を捉え、事業を成功させるために必要な知識を綴った本だ。自分のキャリアを事業と捉えるという話は、本書の最初の方に出てくる。

キャリアの出発点に立ったソフトウェア開発者の大半は、いくつかの大きな誤りを犯している。その中で群を抜いて大きい最大の誤りは、ソフトウェア開発のキャリアを事業(ビジネス)として扱っていないことだ。

事業で利益を生むには魅力的な製品あるいはサービスが必要だ。事業者は絶えず製品を改定、改良し、それを宣伝する。ソフトウェア開発者もそうでなければならない。

この本には実に様々なことが書かれている。新しい知識を効率よく学習する方法とか、生産性を高めるためのアプローチみたいな話から、給与交渉のやり方や独立コンサルタントとしての料金設定の方法、定職を捨てて契約プログラマーになるリスクの測りかた、健康維持のためのフィットネスとか、果ては不動産投資まで。70章以上あるので一つくらいは目を惹くトピックが見つかるのではないだろうか。

逆に内容が多岐にわたり過ぎて一つ一つの話題は小粒になっているため、実践的な方法を知るにはこの本を読むだけでは不十分なことが多い。興味を持ったら次はそれぞれの話題に特化した本を読む必要があるだろう。とはいえ、色々な分野へのとっかかりを得るのにはいい一つ一つのトピックがほどほどの分量でまとまっているので、手をつけやすいのは良かった。

ちなみに、著者がもともとソフトウェア開発者なのでエンジニアリング的アプローチも多いとはいえ、はっきり言って技術書というよりは自己啓発書の類に近いと思う。