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「7つの習慣」は人格の成長モデルを明示した点にこそ価値がある

読書感想文 ★★★★☆

「7つの習慣」という本を読みました。

7つの習慣―成功には原則があった!

7つの習慣―成功には原則があった!

  • 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 単行本
  • 購入: 131人 クリック: 4,173回
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本の存在を知ったのは本屋に平積みされてるのを見たからなのですが、実際に購入したのは、研究室の中国人留学生の人が

7つの習慣っていう本を最近読んだよ!すごくいい本だったよ!日本語にも翻訳されてると思うから読むといいよ!

と言っていたことが理由です。というわけで、世界的に読まれている本っぽいです。
「7つの習慣」は題名が示す通り人生をより豊かに生きていくための7つの習慣とそれを身につけるためのプラクティスについて解説した本です。いわゆる自己啓発書と言われる類の本ですね。自己啓発本なんて星の数ほど存在します。なのに、何故この本はこれほどまでに注目されているのでしょうか。

個人的に「7つの習慣」の気に入ったところ

本書は「人格の陶冶こそが人生を豊かなものにする原則だ」という立場をとっています。このような考え方を著者は人格主義と呼んでいます。
このような人格主義に基づいた書籍は数多くあります。D.カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」などはその典型でしょう。いずれも初版の出版から長い年月が経っているにも関わらず読み続けられている世界的な名著です。

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版


道は開ける 新装版

道は開ける 新装版


では、本書が人格主義というカテゴリーに属する本だったとして、その他の同一カテゴリーの本と何が違うのでしょう。
はっきり言って、この本のメイントピックである7つの習慣は特に真新しいものでは無いと思います。例えば上記の2冊を取ってみても、本書と似たようなことは沢山書いてあります。
じゃあ、この本の新規性はどこにあるのかというと、それは、人格の成長プロセスを構造的にモデル化し分かりやすく表しているという点に尽きるのではないかと思います*1
カーネギー本にしろ、書いてある内容はとても示唆に富み、心を打つ内容なので、「この本に書いてあるような人間になりたい」と(通常の)読者は思うのですが、完成形についての記述しかないのでなかなかとっつきにくい印象があります。そこに書いてある習慣を実践してみたはいいものの、本当に目指す姿に近づいているのか分からない、などという不安を感じたりするのです。
一方、本書では、人は『依存』→『自立』→『相互依存』というプロセスを経て人格は高みに達すると主張しています。

依存している人は、欲しい結果を得るために他人に頼らなければならない。自立している人は、自分の努力によって欲しい結果を得ることができる。そして、相互依存をしている人々は、自分の努力と他人の努力を引き合わせて最大の成果を出すのである。
p57

最初、人はみな『依存』状態で生まれてくるのですが(親の存在が最たる例です)そこから少しずつ『自立』していき、最終的には『相互依存』を目指さねばなりません。著者に言わせれば、残念ながら多くの人が『自立』状態にすら到達していない、というのが現状ですが。
そして、このような成長を達成するために7つの習慣は存在する、というスタンスを貫いています。
ここからは、僕の超個人的な感想ですが、この成長プロセスこそが本書の醍醐味なのであって、ぶっちゃけた話個々の習慣にはそこまでの価値はないのではないかなと思いました。確かに個々の習慣自体もとても優れた内容ですし、成長モデルとの親和性が高いという点はとても評価できると思います。けれど、特に真新しさがあるわけでもないので、個人的にはぼちぼちかなと。それに、あくまでも『人格の陶冶』こそが目的なのであって7つの習慣はそのための手段に過ぎない訳です。
目的と手段という表現を使うなら、上記の成長プロセスのモデルは、その目的に達するための過程を示したものと言えるでしょう。
この分野にはこれ以外にも世界的な名著は沢山ある訳です。手段はすでに、沢山用意されているということです。色々な本を読んで、それぞれの本のエキスを吸収して、『相互依存』を目指せたらいいなと思います。
まだまだ現状では間違いなく『依存』以上『自立』未満、という感じですがw

本書を読んでてメモした内容

p1-p49
7つの習慣はインサイドアウトの考えに基づく。私的成功は公的成功に先立つ。まず自分から始める
http://realbm.com/users/taka84u9/record/60/

p54-p61
依存状態にいる人のパラダイムは「あなた」。自立の人は「私」、相互依存の人は「私たち」。相互依存の人は、自分の努力と他人の努力を引きあわせて最大の成果を出す。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/67/

p84
人は外的要因に対してどのような反応をするかを選ぶ権利を持っている。そして、その権利は本人が投げ出さない限り、決して誰にも奪うことはできない。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/69/

p86-p87
主体性を持つとは、自分の人生に対する責任を取るということ。「自分で投げ捨てさえしなければ、誰も私たちの自尊心を奪うことはできない」by ガンジー
http://realbm.com/users/taka84u9/record/70/

p91
人生の中心的な価値は「経験」「創造」「態度」の三つであり、このうち最も大切なのは「態度」。要するに、人生の経験にどう反応するかってこと。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/71/

p92-p93
率先力を発揮することは自分から進んで状況を改善する行動を起こすようにすること。誰かが助けてくれることや何かが起こることを待ってはいけない。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/72/

p96-p100
主体的な言葉を使うようにしてみる。「○○でないとだめだ」→「○○の方がいいと思う」、「○○でさえあったら」→「私が○○する」など
http://realbm.com/users/taka84u9/record/73/

p101
『世界中すべての偉大な文学において、「愛」は動詞として登場する。反応的な人は、愛を単なる気持ちとして捉えがちである。』愛情がなくても愛せる、ってこと?
http://realbm.com/users/taka84u9/record/74/

p114
『問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。』まさしくその通りだ。自分にコントロールできないような理不尽な問題なら、自分の態度を変えるしかない。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/75/

p124-p205
第二の習慣「目的を持って始める」を要約すると、自分憲法を作ってそれを死守する、ということだ。どこかで聞いた話だと思ったらビジョナリーカンパニーだ。個人も企業も同じってことですか
http://realbm.com/users/taka84u9/record/78/

p132
『マネジメントは成功のはしごを能率よく昇ることであり、リーダーシップは掛け違っていないかどうかを判断することである』
http://realbm.com/users/taka84u9/record/77/

p210
人が嫌がることを率先してやるのは、口で言う以上に難しい。『成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ』
http://realbm.com/users/taka84u9/record/82/

p225
効果的な時間管理ができないことの原因は、自分自身を律することができないからではなく、物事の優先順位が深く心と頭に植え付けられていないから。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/88/

p320
『成熟した人とは、自分の気持や信念を表現する有機と、相手の気持や信念を尊重する思いやりのバランスが取れている人の事である。』
http://realbm.com/users/taka84u9/record/89/

p415
『相乗効果の本質は、知的、情緒的、心理的な相違点を尊ぶことである。相違点を尊ぶ鍵は、全ての人は世界をあるがままにみているのではなく、自分のあるがままに見ているのだということを理解することである。』
http://realbm.com/users/taka84u9/record/90/

p425
『誰かがあなたの意見を否定するとき、次のように言える。「よかった。あなたは違う意見を持っている」と。』
http://realbm.com/users/taka84u9/record/91/

p1-p492
読了。なんか「ビジョナリーカンパニー」と共通する主張が多かった気がする。個人も企業も、肝心な部分は同じなのかも知れない。
http://realbm.com/users/taka84u9/record/92/

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*1:僕の知らない本で同じような構造化を行っている本はあるかも知れません